慕情とディナー・ジャケット

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『慕情』は、名画ですよね。1955年のアメリカ映画。映画はもちろん素晴らしい。そして歌もまた。

ラヴ・イズ・ア・メニイ・スプレンダード・シング………

流行りましたよね。名歌と名画がひとつに溶け合っていましたよね。
ジェニファー・ジョーンズ、好演。背景は、香港。相手役は、ウイリアム・ホールデン。もう言うことなし。
香港で、ウイリアム・ホールデンでといえば。もうひとつ、『スージー・ウオンの世界』がありますね。
ウイリアム・ホールデンの相手役、ナンシー・クワンは。ゴールデングローブの主演女優賞を受けています。これは夢見る若き女性の物語。ここから、「スージー・ウオン」といえば、「夢見る女性」の意味としても使われる。

「豊かな生活を欲する無数の<スージー・ウオン>!」

これは1983年の、ハインツ・G・コンザリク著『死の微笑』の一節。『死の微笑』もまた、香港が舞台ですから、ぴったりの表現でもあるんでしょう。
『死の微笑』に登場するのが、フリッツ・メルカー。香港の病院で医学を研究中の、ドイツ人医師。そのフリッツ・メルカーがひょんなことから服を仕立ててもらうことに。

「テイラーは奇跡をやってのけた。仮縫いなしでも体にピッタリ。メルカーにとってのシルクの生地は第二の皮膚みたいな感覚で、体と服が一体になっていた。」

「シルクの生地」。それで何を仕立てたのか。ホワイト・ディナー・ジャケット。絹で、白で、ディナー・ジャケットで。なんとも羨ましい。でも、それ以上に、「体と服が一体」とは!これこそ完璧の服というものでしょう。
いつか白絹のディナー・ジャケットで。
香港の夜景を背に。「慕情」を歌ってみたいものですが……。

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