マンとアラン

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マン島というのがあるんだそうですね。
地図を開いてみると、アイリッシュ海のぽつんと浮かんでいます。今は、英国王室の保護領になっているんだとか。
アイル・オブ・マン Isle of Man ですから、「人間の島」というべきでしょうか。もっとも、古い時代には「モナピア」 Monapia という名前だった。これが「モナ」Mona になって、やがて「マン」 Man になったのでしょう。
1929年のこと。マン島の有力者、アーサー・B・クルックオールに名案が浮かんだ。マン島にたくさんの観光客を招くための。
それはマン島での、宝探し。あらかじめ島に宝を隠しておいて、それを見つけてもらおう、と。そして宝を見つけてくれた人には、百ポンドを差し上げることにして。
その「宝」は、嗅ぎ煙草入れ。嗅ぎ煙草入れの中にはコインが入っている。十八世紀のマン島で使われていた、穴の開いたハーフ・ペニーの銅貨が。コインにも、嗅ぎ煙草入れにも価値のあるものだったのです。この「宝」五つ、島のどこかに隠してあった。
最初に宝を見つけたのは、スコットランドのテイラー、ショオという人だったそうですね。
ところでこの宝探しの広告はどうしたのか。
アーサー・B・クルックオールは、アガサ・クリスティに、小説にするよう頼んだ。それが今の、『マン島の黄金』なんですね。
1930年5月。マンチェスターの新聞『デイリー・ディスパッチ』紙に、五回に分けて連載。アガサ・クリスティはこれを書くために、1930年の4月、マン島に滞在しています。
マンは、人。東京の人口が一千万を超えるのは、1961年のこととか。この時、ロンドンの人口、約850万人だったという。
1961年、イギリスのニューカースルに生まれたのが、クリス・ライアン。クリス・ライアンが、2003年に発表したのが、『暗殺工作員ウォッチマン』。この中に。

「きちんとボタンをかけたアラン編みのカーディガンで、即座にだれだかわかった。」

これは、パードリグ・バーンという男の姿なのですが。カーディガンもあれば、スェーターもあります。
さて、アラン・スェーターを着て。『マン島の黄金』を読み返すとしましょうか

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