007とトゥイード

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007といえば、ジェイムズ・ボンドですよね。ジェイムズ・ボンドといえば、イアン・フレミングでしょう。
イアン・フレミングが一時期、英国情報部にいたのは、よく知られている通り。1939年7月26日に採用されて。1945年11月4日に退官するまでの間。ざっと六年ほど秘密情報部員だった。そうも言えるかも知れませんね。
でも、秘密情報部員だった英国の作家は、イアン・フレミングだけではありません。たとえば、グレアム・グリーンも。
グレアム・グリーンは少年のころ、いじめられっ子だった。グレアム・グリーンは、「バーカムステッド」という学校に。ここで、いじめられた。グレアムがここの学校の校長だったから。
グレアム・グリーンは時々、学校を抜け出して、ひとりで本を読みふけった。それがたいていスパイ物だったんですね。
子供のころ、スパイに憧れるのは、よくある話。でも、グレアム・グリーンは大人になってからも、スパイへの憧れが続いて。
たとえばグレアムがオックスフォード大学に入ってからも。ロンドンのドイツ大使館に手紙を書いて、採用。それがほんとうにスパイ活動だったかどうかはさておき。グレアム・グリーンがドイツ大使館の費用で、ドイツに旅したのは、事実なんですね。
もちろんその後のグレアムは、「MIー6」に所属した時期があります。グレアム・グリーンの小説に、『ヒューマン・ファクター』が。これは今も、ダブル・スパイの名作だと考えられています。
もっとも映画でのグレアム・グリーンとなれば。『第三の男』が有名ですよね。グレアム・グリーンは『第三の男』の台本を書くために、ウイーンでの取材を行っています。『第三の男』で印象的なものに、ツィター演奏が。ツィターの話が出てくるミステリに、『ベルリン・レクイエム」が。1991年に、フィリップ・カーが発表した物語。

「チターというのはチョコレートの空き箱に三、四十本の糸を張ったような奇妙な楽器で……」

これは主人公で、探偵の、ベルンハルト・グンターのひとり言。物語の背景は、1947年のウイーン。ツィターが出てくるのも当然でしょうね。また、こんな描写も。

「緑色のツイードの背広の胸ポケットから葉巻を取り出しながら、こちらへ歩いてくる。」

これはウイーンの、広告会社の社長、ヘルムート・ケーニヒの姿。トゥイードの胸ポケットに葉巻。これも粋なものですよね。
さて、トゥイードのジャケットを着て。007の原作を探しに行くとしましょうか。

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