ダシールとドスキン

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ダシールという名前から思い出す人に、ダシール・ハメットがいますよね。
ダシール・ハメットは、ハードボイルド生みの親なんだそうです。その本名は、サミュエル・ダシール・ダシール・ハメット。でもハメット自身は、「ダシール・ハメット」の名前がお好きだったようですね。で、親しい友だちは、「ダッシュ」と呼んだ。
ダシール・ハメットの代表作は、『マルタの鷹』でしょうか。『マルタの鷹』は、ハンフリー・ボガート主演で、映画にもなっています。
『マルタの鷹』は、ハメットにとっても自信作で、周りの期待も大きかったらしい。

「 『マルタの鷹』を先に刊行する可能性もあります。完成次第なるべく早く読ませてください。そちらのほうを先にだすほうが賢明かもしれませせん。」

アルフレッド・A・クノップ社の編集者、ハリー・C・ブロックは、ハメット宛の手紙に、そんなふうに書いています。日付けは、1928年12月14日になっています。
その後、『マルタの鷹』完成。でも、かなり手が加えられて、今の形になったんだとか。その時代は、検閲が厳しかったから。過激な表現はすべて削られたようです。もしも原文の『マルタの鷹』が発表されたら、貴重品でしょうね。
『マルタの鷹』は、1929年『ブラックマスク』9月号から、連載がはじまっています。『ブラックマスク』は、当時の代表的なパルプマガジン。このパルプマガジンの蒐集家がいるんですね。

「 「ブラックマスク」、「ダイム・ディテクティヴ・フィクション・ウイークリー」といった値打物は上段の棚……」

ブロンジーニ著『誘拐』の一節。この物語に出てくる私立探偵が、コレクターなんですね。また、こんな描写も。

「サーモン・ピンクのポロシャツに、アルパカのゴルフ・セーター、ベージュ色のドスキン・スラックス………」

これは事件の依頼人、ルイ・マーティネッティの自宅での着こなし。
ドスキンはまた、「ドゥ・スキン」とも。鹿革にも似ているからなんでしょう。
さて、ドスキンで。ダシール・ハメットの古本を探しに行くとしましょうか。

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