ジャズと縞ズボン

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ジャズのお好きな方、多いですよね。そんなこともあって、ジャズの世界を描いた映画の少なくありません。
たとえば、『五つの銅貨』。1959年の、パラマウント映画ですね。原題も、「ザ・ファイヴ・ペニーズ」。「ザ・ファイヴ・ペニーズ」は、映画名であり、主題歌名であり、バンド名でも。
レッド・ニコルズ率いるジャズ・バンドの。1920年代のレッド・ニコルズ、人気絶頂。それが1930年代に、ジャズとは離れることに。そこからもう一度復活する物語。もちろん、ほんとうにあった話なんですが。
映画『五つの銅貨』を観るには、たぶん五枚のハンカチが必要。涙、涙、感動の涙がとまらないから。
レッド・ニコルズは、本名、アーネスト・ロアリング・ニコルズ。1905年5月8日、ユタ州オグデンに生まれています。
このレッド・ニコルズに扮するのが、ダニー・ケイ。レッド・ニコルズ本人も演奏の一部に出演しているんだとか。そのほかにも、ジャズ・プレイヤーがたくさん出ています。余談ですが、『五つの銅貨』の衣裳担当が、かの有名なイーディス・ヘッドなんですね。
レッド・ニコルズの、奇跡的な復活に協力するのが、ルイ・アームストロング。もちろんルイ・アームストロングが、本人役で登場。
ルイ・アームストロングが出てくる小説に、『玉ねぎの皮をむきながら』が。ノーベル賞受賞者、ギュンター・グラスが、2006年に発表した創作。創作なんですが、限りなく自伝に近い物語にもなっています。

「我々が熱狂的に買い求めたレコードで、ラジオで、光沢付き白黒写真で知っているあのサッチモだったのだ。」

ポーランドに生まれたギュンター・グラスも、ルイ・アームストロングのファンだったのでしょう。また、こんな描写も。

「自分にぴったりの黒のジャケットを買い、細縞のショトレーゼマン・ズボンと銀灰色のネクタイに黒の短靴も調達した。 ( 中略 ) 私はどうしても花婿として恥ずかしくない格好をしたかったのである。」

「私」とあるのが、ギュンター・グラス自身であるのは、言うまでもないでしょう。ギュンター・グラスが自分の結婚式に「恥ずかしくない格好」であったのが、このことから分かります。
さて、縞ズボンを穿いて。ジャズを聴きに行くとしましょうか。

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