カフカとカフ

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カフカは、もちろんフランツ・カフカですよね。
たぶん一度くらいは『変身』に目を通したことがおありでしょう。
カフカは、1883年7月3日。プラハに生まれています。お父さんのヘルマン・カフカは、プラハでも指折りの紳士洋品店の経営者でありました。当然のようにカフカも、服装に深い関心があったようですね。
カフカまた優しい心の持ち主でも。ある時、カフカが公園を歩いていると。小さな女の子が泣いている。「お人形をなくしちゃったの……」。それを聞いてカフカは言った。
「お嬢ちゃんね、お人形は今、ちょっと旅に出ているだけなんだよ。」
それからというもの、カフカは人形の代筆を。「さあ、旅先のお人形からキミへの手紙が来ているよ」と、手渡したという。
カフカの手紙といえば。1924年2月はじめ。お父さんお母さんに、ベルリンから宛てた手紙が遺っています。

「ここでは、一ポンドあたり普通の酪農バターが二マルク、紅茶用バターが二マルク一0から二0で手に入ります。」

この手紙から推測するに、1920年代のベルリンでは。紅茶にバターを添えることがあったのでしょう。もしかすればカフカ自身も、バター入り紅茶を飲んだのかも知れませんね。
カフカは数多くのメモを遺しています。創作のための覚え書きとして。今は、『断片』として全集に収められています。その中に。

「一人は、真新しい木綿ズボンの、幅広に裁断し、下にゆくほど細く、長靴のところできちんと折返したのを、着用していた。」

たぶんこれはカフ付きのトラウザーズなんでしょう。
さて、カフ付きのトラウザーズで。カフカの古い本を探しに行くとしましょうか。

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