パイナップルとニッカーボッカーズ

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パイナップルは美味しいものですよね。
「パイナップル」 pineappleは、イギリス英語。日本での「パイナップル」は英国の影響なんでしょうね。
「パイナップル」pineappleを少し丁寧に訓むと、「パイン・アップル」。松のような林檎。これはパイナップルの表面が松かさの模様に似ているからなんだそうですね。
パイナップルのことをフランスでは、「アナナス」 ananas 。フランスばかりデなく、ポルトガル、オランダ、スペイン、ドイツでも、「アナナス」。
ポルトガル人が「アナナス」 ( パイナップル ) をはじめて見たのは、十六世紀のこと。西インド諸島の、グアデループ島で。土地の人はそれを、「ナナス」と呼んだ。「亀の実」の意味で。パイナップルの表面が、亀甲文様に想えるからでしょう。
ポルトガル人は、ナナスに接頭語の「ア」つけて、「アナナス」になったという。
ハワイの、ワヒアヒでパイナップルが栽培されるようになったのは。1902年のことなんだとか。当時、25歳だったアメリカ人、ジェイムズ・ドラモンド・ドールによって。ドールは最初、コーヒー栽培を考えていた。が、途中で考えを変えて、パイナップルに。そして、大成功。今もある「ドール」の歴史であるのは、言うまでもないでしょう。
1902年3月29日に生まれたのが、マルセル・エイメ。フランスの、ボルドーで。もちろん、フランスの作家ですよね。
マルセル・エイメが1943年に発表したのが、『壁をぬける男』が。これはほんとうに、壁を抜ける話なんですね。この中に。

「鳥打ち帽に大きな格子柄の服を着、それにゴルフ・ズボンをはくと、彼はすっかり変貌した。」

「彼」とあるのが、主人公のデュティユール。つまり「壁をぬける男」。「ゴルフ・ズボン」。たぶん、ニッカーボッカーズなんでしょう。「ニッカーボッカーズ」は、フランスでもその名前で呼ぶことがあります。
さて、ニッカーボッカーズで。美味しいパイナップルを食べに行くとしましょうか。

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