珈琲とチョッキ

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珈琲の好きな人、多いですよね。
珈琲はたいていコーヒーカップで飲む。コーヒーカップで珈琲を飲むと、底に少しのこる。この底に少し残った形で占うのが、珈琲占い。
有名なところでは、クリスチャン・ディオールの例があります。ディオールは若い時、偶然、ジプシー女に珈琲占いを。その時、珈琲占い師は。
「あなたは将来、女の人によって、大成功します。」
珈琲占いについては、高橋邦太郎著『パリのカフェテラスから』にも出てきます。時代は、昭和十年代。場所は、インドシナ ( 今のサイゴン ) 。
高橋邦太郎はその頃、サイゴン放送局に勤めていた。同じ日本人なので、サイゴン駐在の、日本大使館員と仲良くなって。時折、夕食に招かれるようになる。ご主人が日本人で、奥さんがルーマニアの人。
大使館員、Aさんの家でディナーが終わって、珈琲が出る。その時、マダムが言う。「タカハシさん、珈琲占い、やってみましょうか」。マダムは真剣にコーヒーカップの底を覗く。それから、ゆっくりと。
「あなたは、二十歳で大病なさいましたね。そしてそれは二十七歳の時、完治されましたね。」
高橋邦太郎、実はその通りだったのです。
マダムAは、幼い頃からジプシーの乳母に育てられた。その乳母が珈琲占いを教えてくれたんだとか。
珈琲が好きだったのが、ボンド。ジェイムズ・ボンド。ボンドは英国人にしては珍しく、珈琲党。毎朝、砂糖抜きの珈琲二杯飲むところから、一日がはじまるんだそうですね。
1963年に、イアン・フレミングが発表したのが、『女王陛下の007』。この中に。

「グリフォン・オアは、きちんと締めた蝶ネクタイのあたりまでぴったりボタンをとめたまっ赤な花柄の絹チョッキのポケットに手をつっこんで……」

シルクのウエイストコート、いいですね。
さて、お気に入りのチョッキを着て。美味しい珈琲を飲むとしましょうか。

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