カルティエとカフ・リンクス

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カルティエは宝飾店ですよね。
カルティエで有名なもののひとつに、「サントス」があります。もちろん、角形の腕時計ですよね。
当時、パリに住んでいた富豪で、飛行家の、サントスに因んでいるのはいうまでもありません。アルベルト・サントス・デュモン。サントスと、その時代の社長、ルイ・カルティエとは友人同士だった。
サントスは飛行機を操縦しながら、時間を確認できる時計を必要していた。それで「サントス」を考案したという。それは1904年のことであったとも、1907年であったとも。
それはともかく。サントスが1907年11月12日に飛行に成功したのは、間違いありません。つまりサントスはこの時、「サントス」を手首に嵌めていたわけです。
でも、カルティエはなにも「サントス」だけを作っていたのではありません。たとえば1925年には、デスク用時計を完成させています。それは「衝立風」のスタイルになっていて。水晶がふんだんに使われています。置き時計を中心に、インク壺が左右に配置され、インク壺は瑪瑙製。ペンとペンシルは、ゴールド製。
このカルティエのデスク・セットは、1985年に、スイス、ジュネーヴのオークションに登場。その時、616000スイス・フランで落札されたという。カルティエの時計が出てくるミステリに、『繊細な真実』があります。ジョン・ル・カレが、2013年に発表した物語。

「結婚二十五周年記念にスザンナから贈られた金のカルティエの腕時計で……」

これは引退した、英国の外交官、クリストファー・プロビンの時計。また、こんな描写も。

「クリーム色のシルクのダブルカフスと彫刻がほどこされた金のカフスボタンに気づいた。」

これはある会社の創業者、ジェイ・クリスピンの着こなし。
オールドのカフ・リンクスも、カルティエも。ただただ、ため息が出るばかりですが……。

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