銭形平次とタイ・シルク

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銭形平次といえば、捕物帳ですよね。
著者はもちろん、野村胡堂。銭形平次は、昭和六年の登場なんだそうです。
野村胡堂はその頃、報知新聞の部長。ちょうどその時、文藝春秋から『オール讀物』が創刊されることに。
文藝春秋の菅 忠雄という編集者がやって来て。
「ひとつ、半七捕物帳のようなものを……」と言う。
野村胡堂は、岡本綺堂の『半七捕物帳』の愛読者だったから。それで、一週間で、第1話を仕上げたという。

「編集局の二階のまどから、ぼんやりと空を見ていると、春がすみの中に、ビルの鉄骨が組み上がって、その上に、「設計、施工、銭高組」と大きな文字が浮かんでいた。」

銭形平次のお上さんが、お静。相棒が、八五郎。通称、「ガラッ八」。
野村胡堂の名前は新聞社の友人がつけてくれたらしい。本名は、野村長一。これで、「おさかず」と、訓むんだそうですが。
捕物帳ではなくては、「推理作家」として有名だったのが、松本清張。松本清張が報知新聞に連載したのが、『熱い絹』。これはタイ・シルクで知られる、ジム・トンプソンをモデルにした物語ですね。
ジム・トンプソンは戦後、絶滅寸前だった、タイ・シルクを復活させた人物。『熱い絹』を読むと。ジム・トンプソンは、シルクのトラウザーズだったという。
さて、絹のズボンで。銭形平次の本を探しに行きましょうか。

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