花模様とアルパカ

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花模様のチョッキがお好きだった作家に、フロベールがいたんだそうですね。
『ボヴァリー夫人』は、ギュスターヴ・フロベールの代表作と言って良いでしょう。フロベールに学んだ作家が、モーパッサン。モーパッサンはほとんど日曜日になると、フロベールの家を訪ねた。
その頃、モーパッサンは勤めていたから。海軍省、印刷局に。年俸、1500フランだったと伝えられています。
海軍省印刷局への勤務は、二十二歳の時にはじまり、三十一歳まで続いています。モーパッサンが三十歳で発表した『メゾン・テリエ』がベストセラーになったカラダしょう。
それはともかく1870年代の日曜日。師匠のフロベールの家に行くと、たいてい花模様のジレだったそうです。足許には、エナメルの靴。
1880年3月28日。フロベール宅で食事会。ゴンクールやエミール・ゾラなどといっしょに。ただしこの時が、フロベールに会った最後。フロベールは5月8日に世を去っていますから。
1880年の1月。モーパッサンは仕上がったばかりの、『脂肪の塊』の原稿を郵送。『脂肪の塊』を原稿で読んだフロベール、絶讃したという。
モーパッサンの短篇に、『パリ人の日曜日』があります。この中に。

「暑さが少しでもしのげるように、彼はアルパカの軽い上着を買うことに決めたのである。」

「彼」とは、「パチゾー」いう名の人物。その時代には、アルパカのジャケットがあったんですね。
なにか軽い上着を羽織って。花模様のチョッキを探しに行くとしましょうか。

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