康成とトロピカル

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康成といえば、川端康成でしょうね。
川端康成は長く鎌倉に住んだ作家でもあります。川端康成が鎌倉に住むようになったきっかけは、同じく作家の林 房雄と関係があるとか。その頃、林 房雄は鎌倉に住んでいて、川端康成に近くに来てもらいたかったみたいです。
実際に鎌倉に越したのは、昭和十年十二月五日のこと。それは小泉三申の家作で、三軒長屋。その一軒に、長田幹彦、もう一軒に林 房雄。 ちょうど真ん中の一軒が空いていたから。
この日の引越しを手伝った一人に、小林秀雄がいたという。引越し康成が昭和三十年にの後、みんなで香風園で、夕食を。香風園はその頃にあった、料理屋、旅館、温泉。今はありませんが、当時は鎌倉温泉として有名だったそうです。香風園は、川端康成が『千羽鶴』を書いたところでもあります。
同じく今はない和菓子屋に、「喜久月」があって、康成はここの和菓子が好きだったそうです。
川端康成が、昭和三十年に書いた長篇に、『東京の人』が。この中に。

「夏服はイギリス製のトロピカルで、仕立ても一流だから、形がくづれてゐない。」

これは出版社の社長、島木俊三の着こなし。そういえば、トロピカルという夏生地がありましたね。
さて、サマー・スーツを着て。康成の本を探しに行くとしましょうか。

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