金とカーキ

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金は、ゴールド。ゴールドには憧れますよね。
ゴールドはもちろん金鉱から採れるわけですが。金鉱のひとつに、クロンダイクがあります。
カナダのクロンダイクでゴールド・ラッシュがはじまったのは、1897年のことなんだそうです。金脈発見。で、我も我もとクロンダイクをめざした。
この時に生まれたのが、練乳。缶に入っているので、旅にも持って行ける牛乳だった。これを考えたのが、エルブリッジ・A・スチュワート。アメリカ、ワシントン州の人物。そしてこの練乳につけた銘柄が、「カーネーション」。1899年のことです。
1899年に発表された小説に、『闇の奥』。もちろん、ジョセフ・コンラッドの名作。ジョセフ・コンラッドについて、こんな話が。
ある時。ジョセフ・コンラッドは新しい原稿を出版社に送った。なかなか相手にしてもらえない。
ところがひとりだけ目に留めてくれた編集者が。その編集者は自分でチラシを作り、批評家たちに手紙をつけて送った。それはコンラッド作の『好機』。当然、よく売れたんだそうです。
その編集者の名前が、アルフレッド・A・クノッフ。
アルフレッド・A・クノッフは、1915年に、NYで出版社を興しています。この話は常盤新平著『ザ・ニューヨーク・アイ・ラヴ』に出ているんですが。

「その紳士はあのカイゼル髭をはやし、カーキ色の服を着て、葉巻を手にしながら、ロビーの窓ぎわの席に一人で悠然とすわっていた。」

1978年の4月。常盤新平はロンドンのホテルで。アルフレッド・A・クノッフを見かける。アルフレッド・A・クノッフ、八十五歳の時に。
カーキ色のスーツ。いいですね。カーキには金の色がよく映えますよね。

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