ひょうたんとヘルメット

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone

ひょうたんで思い出すものに、『ぶらりひょうたん』があります。
昔、『東京日日新聞』に連載された名随筆。『東京日日新聞』は今の『毎日新聞』。著者は、高田 保。
毎夕、『東京日日新聞』が来るのが、愉しみで。高田 保の『ぶらりひょうたん』を読みたいために。その頃、高田 保は健康をそこねていて。時に、休載。休載すると編集部に読者から電話が。
「お身体お大切にと、お伝えください。」
昭和25年4月7日付の『ぶらりひょうたん』は、「アメリカ」の題。
あるアメリカ人、京都で日本家屋を借りて住んだ。そのアメリカ人は、苔の庭を芝生に換えたという。
「アメリカ人は無邪気で無遠慮で……」。
高田 保はそんなふうに書いています。そして、こうも書く。
「カナッペが出たりコカコラが出たりしたに違いない。」
これはコカコーラが出てくる随筆としては、比較的はやいものかも知れませんね。
小説では獅子文六の『自由学校』でしょうか。『自由学校』は、昭和25年5月。『朝日新聞』に連載された物語。

「辺見は、ウィスキイを少し入れたコップに冷えきったコカ・コーラを注ぎ入れた。」

「コカ・コーラ」となっています。「辺見」に言わせると、アメリカのウイスキーはこうやって飲むのがいちばんだ、と。ということは、バーボンのコーク・ハイなんでしょうか。ところで「辺見」はどんな恰好なのか。

「彼も、今日は、白づくめの服装で、珍しくネクタイなしのカラ開き、半ズボンから膝小僧を出し、白いゴルフ・ホースをはき……」。

そして帽子は、白いヘルメット。防暑帽なのでしょう。
ヘルメットを被って、ひょうたんを探しに行くとしましょうか。

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone