缶詰とカフスボタン

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone

缶詰は便利なものですよね。忘れたころに見つけたとしても、ちゃんと使えますから。
たとえば、鮭缶。鮭缶ひとつありますと、料理一品ができてしまう。
今の缶詰は、1812年に英国ではじまっているんだとか。それより前のフランスにあったのは、「壜詰」。フランスの壜詰がイギリスに来て「缶詰」になった。そうも言えるでしょうか。
英国の「ドンキン・アンド・ホール」という会社が缶詰を作った。どんな缶詰があったのか。
牛肉、コンビーフ、ローストビーフ、ラム、マトン、仔牛のロースト………などなど。
では、どうやって「缶詰」にしたのか。ブリキを使って、ハンダづけ。この初期の缶詰を開けるには、金槌でノミを叩いて。ちゃんと缶詰の表に、「ノミと金槌で……」と書いてあったそうですね。
とにかく缶詰があって、それからだいぶ経って、缶切りが生まれたんでしょう。

「新式のチーズ切りや、カン切りなどを見つけると、悦に入って買い求める。」

吉行淳之介著『わたくし論』の一節です。これを読んでいると。カン切りをはじめとする「台所アクササリー」は、「服飾アクササリー」の代替品ではないか。そん風に書いています。

「ネクタイピンやカフスボタンには関心を示さないが、新式の台所用品売場をうろついたりする………」

うーん。そうかも知れませんね。
お気に入りのカフスボタンで。缶詰を探しに行くとしましょうか。

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone