NYと手袋

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone

NYは、憧れの街ですよね。NYには、ティンパン・アレイがあります。
「ティンパン・アレイ」は、もともと愛称。今ではほとんど地名として通用しています。ティンパンは、「錫鍋」。アレイは、「小道」。「錫鍋小道」というわけですね。錫鍋小道は十九世紀末の、楽譜と関係があります。
今は「音楽」の買い方も大きく変ってしまいましたが。その時代には、「楽譜」を買った。「楽譜」ではどんな音楽なのか分かりにくいので、実際に店頭で売りたい楽譜の演奏をした。客はその音楽を聴いて、気にいった楽譜を買った。ジョージ・ガーシュインも十五歳の時には、この楽譜屋の前で、ピアノを弾いたんだそうですね。
ある時、モンロー・H・ローゼンフェルドが、この地にやってくる。作詞家の、ハリー・フォンティルツァーのところに。ローゼンフェルドは、音楽記者。ローゼンフェルドは、この辺りの音の特徴に気づく。そこで、「ティンパン・アレイ」と名づけたとの説があります。1903年のこととか。
1903年。英国に生まれたのが、イーヴリン・ウォー。イーヴリン・ウォーが、1945年に発表したのが、『回想のブライズヘッド』。この中に。

「スエードの靴をはいて大きな蝶ネクタイをしめ、部屋に入ってくるなり黄色い革の手袋をぬいだ。」

アントニー・ブランシュという青年の着こなし。いいなあ、黄色い革の手袋。
なにか好みの手袋を嵌めて、NYに行きたいものですが………。

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone