ボンドとオックスフォード

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ボンドで、秘密諜報部員でといえば、やはりジエイムズ・ボンドでしょうか。
言うまでもありませんが、ジエイムズ・ボンドの誕生は、1953年のことです。もちろん、イアン・フレミング。もちろん、『カジノ・ロワイヤル』。
この原作、『カジノ・ロワイヤル』の映像権を買ったのが、アメリカの「BBCテレビ」。その値段、千ドルだったという。今からはちょっと信じられない値段ですよね。
ところがこの『カジノ・ロワイヤル』を高く評価したのが、レイモンド・チャンドラー。そんなこともあって、チャンドラーとフレミングは、かなり仲良しだったそうです。
その後、フレミングは『死ぬのは奴らだ』、『ムーンレイカー』、「ダイヤモンドは永遠に』………。次つぎと話題作を発表。この『ダイヤモンドは永遠に』を読んだチャンドラーはフレミングに手紙を書いています。手短かに言いますと。

「君は一作ごとには進歩していないように見受けられる。」

これに対するフレミングの返答。もちろんこれも、掻い摘んでの話ですが。

「あなたの言い方によりますと、わたしがまるで怠け者のシェイクスピアかレイモンド・チャンドラーであるかのようです。」

後にも先にも、チャンドラーとシェイクスピアを並べたのは、フレミングだけではないでしょうか。
イアン・フレミング作『ロシアより愛をこめて』が発表されたのが、1957年。1957年にナボコフが出したのが、『プニン』。この物語のはじめに。

「保守的な型の黒いオックスフォードは、衣類全体の値段を合算したものとほとんど同額のものであった。」

これは、ティモフェイ・プニンのはいている靴。もしかしたら、ブローグでしょうか。
なにかお気に入りのオックスフォードで。ボンド物の初版本を探しに行きましょうか。

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