アイスクリームとコオデュロイ

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アイスクリームは美味しいものですよね。
夏目漱石はアイスクリームを食べたんでしょうか。さあ、どうなんでしょう。でも、少なくとも小説の中には出てくるようですが。

「三沢は看護婦に命じて氷菓子 ( アイスクリーム ) をとらせた。」

夏目漱石著『行人』の一節です。二郎が友人の三沢を訪ねる。と、三沢はアイスクリームを食べている。で、二郎もそれを食べたくなる場面なんですね。
『行人』は、大正二年に発表された物語。ここでの「行人」は、「使者」の意味なんだそうですが。『行人』にはサンドイッチも出てきます。

「別室には珈琲 ( コーヒー ) とカステラとチョコレートとサンドヰツチがあつた。」

夏目漱石自身はかなりの甘党だったようですね。たぶんサンドイッチもお好きだったのでしょう。サンドイッチが出てくるミステリに、『四月の屍衣』が。1975年に、レジナルド・ヒルが発表した物語。

「彼はサンドイッチにかぶりついた。卵の黄身が破裂し、広がって、口をもっていくより早くパンからあふれ出して、顎の先を伝って垂れた。」

「彼」とは、アンドルー・ダルジール警視。アンドルーは自分でベーコン・エッグを作っているうちに。突然、サンドイッチにしたくなって……。ということは一種のオープン・サンドイッチなんでしょうか。また、こんな描写も。

「そろって同じオフホワイトのコーデュロイのスーツを着て現われるという不遇に見舞われていた。」

これはニッキーという写真家と、BBCの、アレックス・ペニテントとが、同じコオデュロイ姿で登場した時の様子。
オフ・ホワイトのコオデュロイ。たぶん、アイスクリームを想像することもあるでしょうね。

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