トスカとフェドーラ

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone

トスカといえば、プッチーニですよね。プッチーニの「三大オペラ」のひとつなんだとか。
プッチーニは、演劇の『トスカ』を観て、感動。1889年のミラノで。この時すぐに、「オペラにしたい!」。
でも、実際に作曲にとりかかったのは、1899年のことだと伝えられています。プッチーニの『トスカ』の初演は、1900年1月14日。ローマの「コンスタンツィ劇場」で。この時のカーテンコール、二十二回だったそうです。
『トスカ』はもともと、ヴィクトリアン・サルドゥーの戯曲。絶世の美女、サラ・ベルナールのために書いたお芝居だったんですね。
1900年12月にモナコを旅していたのが、チェホフ。チェホフはロシアの妻、オリガに充てて手紙を書いています。

「寒かったけれど、今は暖く、夏外套を着ている。ルーレットで五百フラン勝った。これなら、ね、やってもいいでしょう?」

チェホフの愛妻への手紙、12月28日の日付になっています。それより二日前の、12月26日手紙に。

「今日、モンテカルロへ行って、二百九十五フラン勝ちました。( 中略 ) 新しい帽子を買いました。それか何があったっけ?」

この手紙から単純に考えますと。カジノで買って、それで帽子を買ったのかも知れませんね。
1900年12月26日。チェホフがモナコで買った帽子。もしかしたら、フェドーラだったでしょうか。
フェドーラ fedora は、戯曲『フェドーラ』に因んだ名前。1882年に、ヴィクトリアン・サルドゥーが発表してお芝居。フェドーラという美人の主人公が、あえて男物のソフト帽を被ったので、話題になったのです。
フェドーラを被って、『トスカ』を聴きに行きたいものですが……。

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone