ブランチとチノーズ

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ブランチは魅惑の女性ですよね。もちろん、デュボア・ブランチ。もちろん、『欲望という名の電車』。
テネシー・ウィリアムズ原作、エリア・カザン監督の名画。デュボア・ブランチ。悪女にして、聖女。女優なら一度は演じてみたい役柄でしょう。それほど難しく、それほど魅力に満ちた役。
1947年12月3日。NYで、初演。これを観たのが、セシル・ビートン。セシル・ビートンは次の朝、ヴィヴィアン・リーに電話。
「ブランチは君にぴったりの役だよ」。
ヴィヴィアン・リーはすぐに原作を取り寄せて、読む。読みに、読んだ。そしt、言った。
「デュボア・ブランチ、わたしだわ」。
その後、エリア・カザンがヴィヴィアンに、出演依頼。これは想像ですが。セシル・ビートンからカザンになんらかの助言があったのかも知れませんね。もちろんヴィヴィアン、快諾。
映画化の前に、舞台での公演が行われています。10月2日に。この時、ブランチの衣裳が、不評。ロンドンの観客には「下品だ」と。それは花柄のオーガンディーだったのですが。とにかく悪女と聖女の役なのですから。まあ、「衣裳」は難しいものですね。
やがて映画化が決定するのは、1950年のこと。この映画化に先立って、ハリウッドで、記者会見が。ヴィヴィアン・リーは映画衣裳である、水玉のネグリジェ姿で。この記者会見ではヴィヴィアンに質問が集まって、長時間に。記者会見は、終わった。
その時、ヴィヴィアンは傍らのマーロン・ブランドに言った。
「わたくし、すっかり空腹に……」これに対するブランドの答え。
「どっかそのへんで、メシ喰ってきなよ」。
ヴィヴィアンも、そしてブランドも、もう役に入っていたのでしょうね。そうそう、その記者会見でのマーロン・ブランドの恰好。Tシャツにチノーズだったのです。

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