メルバとシルク

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メルバとつくデザートに、ピーチ・メルバがありますよね。
その昔、ロンドンで活躍したオペラ歌手、ネリー・メルバの名前から来ているんだそうです。
ピーチ・メルバは、1893年ころ。料理の巨匠、エスコフィエが考えたという。
ネリー・メルバはその頃、ロンドンのサヴォイ・ホテルに泊まっていて。エスコフィエを、『ローエングリン』に招待するんですね。
エスコフィエはメルバの『ローエングリン』の歌に、感動。その気持を伝えるために、特別のデザートを創った。まさしく『ローエングリン』級のデザートを。巨大な銀製の皿の両脇には、大きな氷細工の白鳥が飾られていたのですから。つまり皿を湖に見立てて、その上に桃とクリームをふんだんに盛りつけたのでした。
また、ある朝のこと。エスコフィエがメルバにトーストをお出しした。しっかりと焼いたトーストを。メルバは、「大好き!」と。その時のメルバ、ちょうどダイエット中だったので。これが「メルバ・トースト」のはじまりなんだとか。
メルバ・トーストが出てくるミステリに、『ナイルに死す』が。アガサ・クリスティが、1937年に発表した物語。

「トースト・メルバ、バター、アイス・バケット、そのほか上等な食事につきものの品々が用意された。」

これはロンドンの高級フランス料理店「シェ・マ・タント」での様子。もちろん、これからポアロが食事をするところ。また、こんな描写も。

「エルキュール・ポアロが白い服にピンク色のシャツをきこみ、蝶ネクタイをしめて、靴の上部に白いカバーをつけた様子は………」

実はこの「白い服」は、シルクなんですね。さすがは、エルキュール・ポアロ様。

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