マカロニと燕尾服

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マカロニがあると、なにかと料理の幅が広がるものですよね。
乾燥マカロニなら、保存ができる。好きな時に使える。便利なものです。ただ茹でて、チーズをからめただけで、ひと品になるかも知れません。
マカロニとはなんぞや。こうなりますと、ちょっと難しい。時と場合によっては、パスタ全部を指す言葉にもなるんだそうですね。
「マカロニ」 Macaroni にはもうひとつの意味があって、「洒落者」。ただし、十八世紀、英国の「洒落者」。若い、先端的な、洒落者のことを、「マカロニ」と呼んだのです。マカロニと、洒落者、いったいどんな関係があるのか。
十八世紀英国には、「グランド・ツアー」ということがあった。上流階級の子弟をヨーロッパに遊学させること。このグランド・ツアー帰りの、イタリア風の、大胆な服装をする青年を「マカロニ」と称したのです。
このマカロニたちが多く集まったのが、「ブルックス・クラブ」。1764年の創立なんだそうですね。「ブルックス・クラブ」が出てくる小説に、『ダロウェイ夫人』があります。もちろん、ヴァージニア・ウルフ作。1925年刊。『ダロウェイ夫人』は、1923年6月13日の一日を描いた物語。

「燕尾服を着、チョッキの下に白い胸当てを着け、髪を後ろになでつけた、身なりの整った男たちが………」。

これは「ブルックス・クラブ」での、様子。「白い胸当て」は、おそらくスティフ・ブザムのことなのでしょう。
少なくとも、1923年の「ブルックス・クラブ」では燕尾服が一般だったことが分かりますね。

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