愛とポケット

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愛は、尊いものですよね。
愛と題につく映画に、『愛の泉』があります。1954年の映画。監督は、ジーン・ネグレスコ。
原題は、『ザ・スリー・コインズ・イン・ザ ・ザ・ファウンテン』。この主題歌が、ヒット。その年の、アカデミー音楽賞を受けています。
作詞、サミー・カーン。作曲、ジュール・スタイン。フランク・シナトラが歌っています。
この『ザ・スリー・コインズ・イン・ザ・ファウンテン』をいち早く聴いたのが、小泉信三。小泉信三はどこで『ザ・スリー・コインズ・イン・ザ・ファウンテン』を聴いたのか。サンフランシスコで。
昭和二十九年に小泉信三は、外国の旅に。まずホノルルを経由して、ロサンジェルス、ニューヨーク。そして、サンフランシスコにも。5月25日に発って、6月13日に帰国しています。ざっと三週間ほどの旅だったわけです。

「Three Coins in the Funtain は、面白いかった。サンフランシスコで或る料理屋に往つたら、あの主題歌をラジオでやつてゐるのをきき、なつかしく思ひました。日本にもきつとやって来るでせう。」

林 光孝宛に手紙に、そんな風に書いています。日付は、6月15日になっています。
戦前、小泉信三が慶應の塾長であった頃の話なんですが。時は、初冬。なんとはなしに、寒い。三田綱町を慶應の学生たちが、歩いている。
そこにたまたま通りかかったのが、小泉信三。中のひとりは上着のポケットに手を入れて歩いている。小泉信三はその学生の肩をポンとたたいて、言った。
「君、両手を出して元気に歩き給え」
小泉信三だと後で知った学生は、感動。「慶應義塾で学んでよかった」と、思ったそうです。
トレヴィの泉の前でコインを投げ入れるほかは。手はなるべくポケットから出しておきたいものですね。

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