オーティスとオーデコロン

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オーティスは、エレヴェーターの会社ですよね。
エレヴェーター自体は古くからあったらしい。「自動昇降機」としては。一説に、ヴェルサイユ宮殿にも「自動昇降機」はあったとか。1743年のこと。もちろん、ルイ十五世の要望で。一階から二階に移動するのに、この「自動昇降機」が使われたという。それは俗に「空飛ぶ椅子」の名前で呼ばれたんだそうですね。
「空飛ぶ椅子」であるかどうかはさておき、原始的なエレヴェーターが昔からあったのは間違いないようです。でも、「空飛ぶ椅子」の安全性に問題があってなかなか拡がりはしなかった。そのエレヴェーターの安全性を高めたのが、オーティスなんです。
エライシャ・グレイヴス・オーティス。E・G・オーティスは、1852年にエレヴェーターの落下防止装置を発明しています。もしエレヴェーターを吊り下げているロープが切れたなら、歯車が働いて、箱を受け止める。こうしてエレヴェーターの安全性が高められたのですね。
1866年にはNYの、「エキタブル生命保険会社」のビルに、オーティス社のエレヴェーターが設置されています。
かなりはやくから高層ビル自体は、技術上は可能だった。でも、どうやって上に上がったり下がったりするのか。これが難問で、そう簡単には高いビルを建てることができなかった。つまり高いビルは、エレヴェーターの発明によって可能になったのです。
エッフェル塔の完成は1887年のこと。ここにもオーティス社のエレヴェーターが据えられています。その後、1890年のパリ万博でも、オーティのエレヴェーターが披露されて、人気に。
1950年には、自動開閉式のエレヴェーターが。ダラスの、「アトランティック・リファイニング・ビル」に。もちろん、「オーティス社」のエレヴェーターでありました。この1950年を坂として、「エレヴェーター・ガール」が消えることになるのですが。
1950年に発明されたミステリに、『ダブル・ダブル』があります。エラリィ・クイーンが書いた物語。この中に。

「彼はオーデコロンの匂いを、眼に見えやしまいかと思われるほど周囲に発散させながらそこに立った。」
「彼」とは弁護士の、オーティス・ホルダーフィールドという設定。でも、オーデコロンは幽かであるほうが上品ですがね。

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