石油とセイラー・パンツ

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石油を描いた映画に、『ジャイアンツ』がありますよね。
もう少し正確にいえば、石油成金を描いた映画。テキサスの、ジェット・リンクが持っている土地から、石油が湧出して。
この主役のジェット・リンクを演じるのが、ジェイムズ・ディーン。ジェイムズ・ディーンが主演した映画は、三つ。最初が『エデンの東』で、次が『理由なき反抗』、そして最後が『ジャイアンツ』。わずか三本の映画でこれほど長く忘られることのない俳優も珍しいかも知れませんね。
1955年ころ、ジェイムズ・ディーンがよく行っていたレストランが、『ヴィラ・カプリ』。当時、ビヴァリー・ヒルズにあったイタリアン・レストラン。主の名前は、パスクワレ。パスクワレはジミーをわが子のように可愛がった。
「ヴィラ・カプリ」は小さいレストランなのに、ハリウッドの大物俳優もよく顔を出したそうです。フランク・シナトラ、ハンフリー・ボガード、ローレン・バコール、ジュディ・ガーランド………。
ある時、マーロン・ブランドがやって来て、満席。パスクワレは「ちょっと、お待ちください」。それに対するマーロン・ブランドのひと言。「オレは、待たない」。
ジェイムズ・ディーンが来て、客がいっぱいのことも。ジミーはそんな時、裏口から入って、料理人の椅子で食事をしたという。
1955年ころのハリウッドでも、デニム姿で食事のできるレストランはほとんどなかったからでもあります。
『ジャイアンツ』が公開されたのは、1956年10月10。NYの、「ロクシー劇場」で。ジミー自身はこの映画を観ることはできなかったのですが。
1956年に発表されたのが、『薔薇の奇跡』フランスの、ジャン・ジュネの書いた物語。この中に。

「太いズボンの来歴を、海軍にまでさかのぼらせるのでは、あるいは十分でないかもしれません。」

これはたぶんセイラー・パンツのことなのでしょう。海軍のセイラー・パンツは、国籍に関係なく、裾拡がりになっています。これは万一、海に落ちた時、すばやく脱ぐための用意なのです。

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