フリンとプリーテッド・ブザム

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フリンで、俳優でということになれば、エロール・フリンでしょうね。戦前から戦後にかけて人気のあった、活劇俳優。
エロール・フリン Errol Flynn はなんだか芸名みたいですが、本名。エロール・レスリー・トムスン・フリンとして、1909年6月20日に生まれています。オーストラリア、タスマニアに。1935年の映画、『海賊ブラッド』が本格的なデヴュウ作だと考えられています。たしか、「ロビン・フッド」の役を演じていたような記憶もあるのですが。
とにかく美男子で、剣術の達人という役柄なんですから、拍手喝采も当然だったでしょうね。
エロール・フリンが出てくるミステリに、『危険がいっぱい』があります。デイ・キーンが、1954年に発表した物語。

「鉛筆で描いたような口ひげがいいわ。ほら、エロール・フリン生やしているような。とても気品があると思うの。」

これはマダムの、メイ・ヒルが、若い恋人のマーク・ハリスに対して言う言葉。メイ・ヒルもまた、エロール・フリンのファンのひとりだったのでしょう。また『危険がいっぱい』には、こんな描写も。

「タキシードに合うズボンをはいた。ドレッサーの上にひだ飾りのあるシャツがあった。黒蝶貝の飾りボタンつきだ。」

これは、マーク・ハリスがタキシードを着ようとする場面。「ひだ飾りのあるシャツ」は、プリーテッド・ブザムかと思われます。
俗に言う「ヒダ胸」。このプリーツは細かいほど、つまり本数が多いほど、ドレッシーとされます。
ただし、それより正式なのが、スターチト・ブザム。硬く硬く、糊づけした胸元ここに、一つのドレス・スタッドで留めるのが、もっとも正式とされます。
でも、プリーテッド・ブザムのシャツをわざと崩して、ブルー・ジーンズに合わせるのも、粋ですよね。

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