カレーと飾り花

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カレーは世界中で愛される食事ですよね。カレーが嫌いという人は少ないでしょう。今もこの瞬間、世界のどこかで、誰かがカレーを食べているに違いありません。
カレーはもちろんインド料理。でも、カレーを世界に広めたのは、英国なんでしょうね。
倫敦ではじめてのカレー専門店は、1809年にはじまっているんだとか。コーリン・テイラー・セン著『カレーの歴史』に出ています。
それはメイフェア地区の、「ヒンドスタニー・コーヒーハウス」。せいく・ディーン・マホメッドというインド人が開いた店。英国軍で働いた後、アイルランド人女性と結婚して、倫敦に定住。でも、「ヒンドスタニー・コーヒーハウス」は、1833年に店を閉じたという。
今も続いているカレー専門店は、「ヴェラースワミーズ」。これは高級インド料理店。ロンドン、リージェント・ストーリート99番池。「ヴェラースワミーズ」は、エドワード・パーマーが開いたレストラン。エドワード・パーマーは以前、陸軍中将だった人物。並のカレー屋ではなくて、リッチで、デラックスな高級店にしたところが、成功したのでしょう。
「ヴェラースワミーズ」には、スウェーデン王や、デンマーク王もよく出入りした。かのウインザー公も常連で。チャップリンもしばしばここにカレーを食べに来たという。
1920年、シンガポールでカレーを食べたのが、寺田寅彦。4月11日のこと。

「オテルドリューロプで昼食をくう。薬味のさまざまに多いライスカレーをくって氷で冷したみかん水をのんで………」

寺田寅彦著『旅日記から』には、そんな風に書いています。また、こんな描写も。

「N氏がそれを襟のボタン穴にさしたからT氏と自分もそのとおりにした。馬丁はうれしそうにニコニコしていた。・

これは4月18日の、日記。
「馬丁」が、庭の黄色い花を一輪づつくれた。それを早速、ブート二エールにしたのでしょう。
そういえば、1920年はブート二エールの流行期でしたからね。

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