ロンリコとロブ

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ロンリコという飲物があるんだそうですね。ロンリコは、ラムのひとつ。ラムというからには、サトウキビが原料。
ロンリコは、1860年頃から造られているんだとか。もともとは「ロン・リコ」で、「豊かなラム」の意味。その度数、75.5といいますから、たしかに「豊かな」度数でしょうね。ラムは、十六世紀には造られていたそうですから、古い。
ロンリコだけでなく、ラムはなにも飲むだけのものでもありません。たとえばパウンド・ケーキにも欠かせないものですね。それからヴァニラ・アイスクリームを食べる時、ラムを一、二滴加えますと、風味がさらに高められます。あるいは、ホット・ケーキを焼く時にも。粉に、卵に、ミルク。この時にラムを垂らして、練る。ラム風味のホット・ケーキ、美味いものです。
もっと簡単にと、おっしゃるなら。カステラを食べる時に。切ったカステラの表面に、すこしのラムを。天にも登る美味となるでしょう。
でも、そうは言ってもやはりラムは飲むことが多いものです。ラムと限ったわけではありませんが、飲みすぎると、時に宿酔いの訪問となります。世に宿酔いの特効薬は、星の数ほどあります。酒飲みの数ほど、宿酔いの特効薬は存在するのでしょうね。たとえば風呂がいいとか、逆立ち歩きがいいとか、愛の交歓がいいとか………。でも、逆立ち歩きをする気持があるなら、それはもはや宿酔いの範疇ではないのかも知れませんが。
小説『偶然の恋人』にも、宿酔いの特効薬が出てきます。ドン・ルースの脚本で、後にドラマ化もされています。

「二日酔いを一番早く治す方法はただ一つ。迎え酒だ。」

これは物語の主人公、バディ・アマラルの、自分に言い聞かせる科白。バディは遣り手の広告マンという設定。ゆうべ飲みすぎて、朝起きると、宿酔い。で、自らの金言に従って、迎え酒。ウイスキーをビールで割って、飲む。ほんとうに「特効薬」なんでしょうか。
でも、宿酔いでない時のバディはとてもおしゃれでもあって。

「アルマーニのスーツを脱いで、セーターに着替え、ジョン・ロブの靴からフェラガモのローファーに履き替えた。」

空港へ迎うリムジンの中での、バディの様子。ジョン・ロブの靴とは羨ましい。でも、服は目的に合わせたいものですね。ロンリコとロブ

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