星とボウ・タイ

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星は、スター star ですよね。ほんとうの星は空にあり、もうひとつの「星」は銀幕の上にあります。人気の名優を「スター」というではありませんか。
人気俳優を「スター」と呼ぶのは、1779年頃からすでにあったんだそうですね。ということは「銀幕」以前、映画以前ということになります。
「スター」の由来についての一説に。むかし、英國をまわったイタリアの喜劇団が、主要役者の名前の上に、☆印を配した。ここから後の世に、「スター」の言い方があらわれたんだとか。
夏の夜空を彩る星に、「蠍座」があります。蠍座のもっともよく見える星は、アンタレスですね。ギリシア神話によれば。いつも自慢ばかりしていた、猟師のオリオンを、蠍が刺したので、天に昇ったとの伝説があります。
三島由紀夫が昭和二十四年に発表した短篇に、『星』があります。この中に。

「箱根は東京より土地が高いせゐでございませうな、お星様が大そう大きく見えました。」

これは能の大家、野口兼資の言葉として紹介されたいるのですが。「野口兼資」は、名人、実在の人物。まさに、「大賢は大愚に似たり」のでんでしょう。
三島由紀夫の長篇に、『暁の寺』があるのは言うまでもないでしょう。この中に。

「本多は両端が瓢箪形をしたボウ・タイを手にとつた。」

この「ボウ・タイ」は、「ごくこまかい茶の水玉模様」と、説明されています。あるいは、ピン・ドットなのでしょうか。
さて、水玉のボウ ・タイを結んで、星を見上げるとしましょう。

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