ジープとシアサッカー

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ジープは、四輪駆動の自動車のことですよね。自動車はたいてい車輪が四つあって、このうちの二輪が駆動することになっています。が、ジープは、前後の四輪が駆動する。だから、ある程度の荒野でも走ることができます。雪道でも滑りにくいんだそうです。
ジープ jeep がどうしてジープなのか。これにも、いろんな説があるみたいで、たとえば、「ゼネラル・パーポーズ」general pupose の頭文字で「ジーピー」と呼んでいるうちに、「ジープ」の名前が生まれたんだとか。
あるいは漫画の『ポパイ』の科白から来ているとか。エルジー・クリスラー・シーガーの『ポパイ』。その、1936年3月16日号の中で、「ジープ!」の言葉が使われているんだんだそうですね。
1940年にアメリカ陸軍が出した要求に、「たとえ二輪が破損しても、全速力で100キロ走れる自動車」というのがあった。これはもちろん、予備のタイヤを付けての「三輪」という意味だったのですが。
この要求に応えたのが、「ウイリス・オーバーランド社」と、「アメリカン・バンタム社」。この両社の比較検討が行われたのが、1940年7月22日。その結果、アメリカン・バンタム社の四輪駆動が選ばれたわけです。
ジープが出てくる小説に、『午前零時』があります。『午前零時』は、戦後間もなく、井上友一郎が発表した物語。

「物部は、ぐいと手をあげて、映子の身體を、ジープから、路上に戻した。」

もちろんアメリカ駐留軍のジープを指しているのですが。『午前零時』には、こんな描写も出てきます。

「あら、これ? ー サッカーと云うんだわ」

これは、映子が着ている「水色のワンピース」生地を、竹田が尋ねたことへの、返事。ここでの「サッカー」は、たぶんシアサッカーのことでしょう。
シアサッカーはとくに「水色のワンピース」と限ったわけでもありません。男のサマー・スーツにもよく用いられます。もちろん、シアサッカーのスーツで、ジープを運転することだってできるでしょう。

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