ファニーとブレイシーズ

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ファニーは、女の人の名前ですよね。たいていは、Fanny と書くことが多いようです。
ファニーで、作曲家でといえば、ファニー・メンデルスゾーンでしょうか。ファニー・メンデルスゾーンは、あのフェリックス・メンデルスゾーンのお姉さんなんですね。やはり、血は争えないというところでしょうか。『イタリア』をはじめ、数多く名曲を生んでもいます。
この『イタリア』を好んだのが、ヴィクトリア女王。ヴィクトリア女王は弟のフェリックスの作だと思っていたらしく。弟のメンデルスゾーンがヴィクトリア女王に拝謁の際、「実は姉、ファニーの作でありまして……………」と、ご説明申し上げたとか。
一説に、ファニーメンデルスゾーンこそ、女流作曲家のはじめとも言われているほどです。
ファニーが出てくる英國の小説に、『ファニーとアニー』があります。D・H・ロレンスが、1921年に発表した物語。

「ファニーがお茶の席につくと、色白で白髪の小柄な叔母が、まるで敬服しているかのようにファニーを見つめ…………………」。

『ファニーとアニー』もまた、ロレンス流の、卓抜の心理小説になっています。
ロレンスの没後、1930年に刊行されたのが、『処女とジプシー』。この中に。

「セーターは頭から抜けた。彼はズボン吊りのままで立っていた。」

これは、ジョーという男がずぶ濡れになったので、着ているものを脱がせる場面。「ズボン吊り」は、たぶん「ブレイシーズ」のことなのでしょう。
英國では「ブレイシーズ」の前に、「ギャロウシーズ」の呼び名もあったとか。それに較べれば、「ブレイシーズ」のほうが、まだしも……………。
さて、ブレイシーズでトラウザーズを穿いて。私の「ファニー」を探しに行くとしましょうか。

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