トルコとトロピカル

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トルコの珈琲は、有名ですよね。いわゆる「トルコ・コーヒー」。また、ターキッシュ・コーヒーとも。
トルコは、ヨーロッパの中では比較的はやく、コーヒーが伝えられたところなんだそうですね。1552年にはもう珈琲店があったという。
コンスタンチノープルは、今のイスタンブールですが。1552年には「コンスタンチノープル」。コンスタンチノープルの目抜き通りに、タクタカラー通りがあって。ここに、ヘケムという人物が、珈琲店を開いたとか。店の名前は、「カーフェ・カーネス」。そのものずばり「コーヒーの家」の意味だったそうです。
そのトルコがウィーンを攻めたのが、1683年のこと。ウィーン陥落寸前に、援軍がやってきて。トルコ軍は急いで、敗走。その時、大きな豆袋がいくつも残されていた。もちろんそれは、コーヒー豆だったのです。ウィーンでコーヒーを飲むようになったのは、それ以来のこだと伝えられています。
トルコ軍の軍旗には三日月が描かれていて。「敵を食う」の意味で、三日月型のパンが焼かれたのも、同じ時期。コーヒーにクロワッサンが合うのも、必ずしも偶然ばかりではないようですね。
名前にトルコとつくものもたくさんありますが。そのひとつに、「トルコ帽」。トルコ帽は通称で、正しくは「フェズ」 fes 。小さなバケツを伏せたような帽子のことです。トルコ帽が出てくる小説に、『熱砂の三人』があります。ウィルバー・スミスが、1976年に発表した物語。

「長い黒ふさのついた赤いトルコ帽に………………」。

これはソマリア人のかぶっている帽子のこと。また『熱砂の三人』には、こんな描写も出てきます。

「男は高価なトロピカルの白服を着こんで、靴は白と茶のコンビというしゃれたいでたちだった。」

これはイギリス人の、ギャレス・スウェールズという男の着こなし。とにかく「熱砂」が背景ですから、涼しい恰好でありたいわけです。
トロピカルは、紳士のための盛夏用生地。もともとは「パームビーチ」社の商標名だった生地。おそらく「熱帯」への輸出用ということから、名づけられたものでしょう。

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