ポスターとポルカ・ドット

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ポスターは、説明の必要がありませんよね。あえて日本語にするなら、「貼絵」でしょうか。商品などの広告のための、貼絵。さらに古い時代には、「引札」などとも言ったそうですが。
「ポスター・ガール」には、「看板娘」の意味があるんだとか。むかし、有名女優の水着姿のポスターがあって。貼るとすぐに、ファンが持っていっちゃう。その取られてしまう枚数が人気のバロメーターになったことさえあったようですが。
巴里で、ポスターでといえば、ロオトレックでしょうか。ベルエポック期のロオトレックのポスターも、一世を風靡したものであります。たとえば、「ムーラン・ルージュ」のポスターはよく知られているところでしょう。ロオトレックのポスターは多く、リトグラフ。つまり石版画によって完成されたものです。
ロオトレックのポスターだけは、百年後の今も、藝術的価値が認められている稀有な例かも知れませんね。
ロオトレックのポスターが出てくるミステリに、『殿下とパリの美女』があります。ピーター・ラヴゼイが、1993に発表した物語。

「何よりもわたしが感心しているのはあなたの描いたポスターなんです、伯爵殿」

これは、英国皇太子の科白。後の、エドワード七世であります。「伯爵殿」が、ロオトレックであるのは、言うまでもありません。また、『殿下とパリの美女』には、こんな描写も出てきます。

「ラ・グリュの名で知られる女が赤白のポルカ・ドットのブラウスに黒のスカート……………………」。

ポルカ・ドットは、やや大きな水玉模様。男にも、ポルカ・ドットのネクタイなどもあります。
さて、ポルカ・ドットのタイを結んで、ロオトレックのポスターを観に行くといたしましょうか。

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