白ワインとシアサッカー

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone

白ワインは、美味しいものですよねえ。うんと冷やした、甘口白ワインを傾けるのは、至福の刻であります。
白ワインがお好きというお方もいれば、赤ワインがお好きなお方もいらして。でも、その前に、まったく酒を受けつけない体質もあるようです。
たとえば、宮尾登美子。

「奈良漬屋の前を横切っただけでフラフラになるほどの下戸だった。」

随筆、『グラス二杯の白ワイン』の中に、そのように書いています。その「下戸の女王」がまた、どうしたわけか、白ワインが好みに合うようになって。加賀乙彦にブランデーを薦められて、その後紆余曲折を経て、白ワインに。

「この頃では、白ワインでも自分の飲みしろは自分で用意してあるので、ホテルへかんづめに入る際でもちゃんとデカンターに入れてそれを抱いてゆく。」

宮尾登美子がお好きだったものに、着物があります。まあ、着物道楽を尽くしたお一人でもあるでしょう。とにかく、龍村平蔵の「織」がお好みだったそうですから、かないません。事実、宮尾登美子は小説、『錦』をも書いています。『錦」は、龍村平蔵の美の世界を描いた物語。
昭和二十九年に。フランスのクリスチャン・ディオールから、龍村平蔵に注文があったという。事実、クリスチャン・ディオールは龍村平蔵の織った裂で、ドレスを仕上げてもいます。
白ワインの出てくるミステリに、『クレムリン・キス』があります。1984年に、ブライアン・フリーマントルが発表した物語。

「食前のシャンペンには自ずから限度あることを考えて白ワインにしたのである。」

これは英国、「MI-6」の工作員、ジェレミー・ブリンクマンの選択。『クレムリン・キス』には、こんな描写も出てきます。

「シヤサッカーの薄茶のスーツを着た男はどうやらそれとわかったが……………」。

これまた、ジェレミー・ブリンクマンの感想。
ブリンクマンは、CIA の一員に尾行されて場面。多くの英国人にとって、シアサッカーのスーツは、「アメリカ人」の印象があるみたいですね。
さて、シアサッカーのスーツで、白ワインとまいりますか。

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone