チャップリンとチェック

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チャップリンは、もちろんチャールズ・チャップリンですよね。そしてチャップリンほど説明の必要のないお方も、珍しいでしょう。「世界の喜劇王」。たったこれだけで、充分ですから。
二十世紀に活躍した映画俳優の中で、最高の着こなし手を探すなら、チャップリンでしょう。1947年の映画『殺人狂時代』を観れば、一目瞭然。あれは映画衣裳である前に、チャップリンの「自前の衣裳」と思ってしまうほどです。『殺人狂時代』はさておき、チャップリンが稀代の洒落者であったのは、事実です。
チャップリンが晩年に、幸福な結婚をした相手が、ウーナ・オニールであります。チャップリンは、1977年12月25日、スイスで世を去っています。八十ハ年の人生でした。この最期を看取ったのも、ウーナでありました。
ある時など、チャップリンとウーナは手に手にとって、何時間もじっとしていることがあったという。
チャップリンがウーナ・オニールと結婚したのは、1943年6月16日のこと。 ウーナ・オニールは、1925年5月14日。バーミューダ諸島の生まれ。つまりウーナは、十八歳になったばかりだったのですね。
チャップリンとウーナは、1942年にニュウヨークで出会って、一目惚れ。たちまち結婚となったものです。
でも、それ以前にウーナにボーイ・フレンドがいなかったわけではありません。いや、ウーナに夢中になった男は数えきれないほどいたのです。その中でもっともウーナに熱心だったのが、サリンジャー。いうまでもなく、J・D・サリンジャー。サリンジャーはウーナさえウイと言ってくれたなら、すぐに結婚したいと思っていた。そこに突然あらわれたのが、チャップリンだったのです。
J・D・サリンジャーの短篇に、『最後の休暇の最後の日』があります。 1944年『ザ・サタデイ・イヴニング・ポスト』7月17号に発表された物語。この書きはじめに。

「グレーのフランネルのズボン、白の開襟シャツ、アーガイル模様の靴下、茶色のブローグ靴…………………」。

これは「ベイブ」の着こなし。「アーガイル模様の靴下」。もちろん、アーガイル・チェックのことなんでしょう。
さて、アーガイル・チェックの靴下を履いて、チャップリンの映画を観に行くといたしましょうか。

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