ポストとポンチョ

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ポストはどうして赤いのでしょうね。やっぱり街中で目立ちやすい色なんでしょう。でも、「ポスト」はなぜ「ポスト」なのか。
昔むかし、「ポスト」には「場所」の意味があったらしい。そのうちに、ある場所からある場所に届けられるので、「郵便」の意味が生まれたんだそうですね。
ポストから誰もが想像するものに、『ワシントン・ポスト』があります。アメリカの一流紙であります。正しくは、『ザ・ワシントン・ポスト』。ここでちょっと紛らわしいのですが、音楽のほうにも、『ザ・ワシントン・ポスト』がありますよね。スーザ作曲の行進曲。
行進曲の『ザ・ワシントン・ポスト』がはじめて演奏されたのは、1889年6月15日のこと。
これは新聞の『ザ・ワシントン・ポスト』がスーザに依頼して、ある表彰式の行進曲をつくってもらったことによるものです。つまり新聞の『ザ・ワシントン・ポスト』から、行進曲の『ザ・ワシントン・ポスト』が誕生したわけであります。
『ザ・ワシントン・ポスト』が出てくるミステリに、『裏切り』があります。1989年に、ブライアン・フリーマントルが発表した物語。行進曲のちょうど百年後のこと。

「ジャネットが住所を告げると、デスクはきびきびした口調で言った。「四十五分以内に記者とカメラマンをそちらに伺わせます」 」

これはジャネットという女性が、『ザ・ワシントン・ポスト』に告発した時の様子。もちろん、物語ではありますが。でも、ここにも『ザ・ワシントン・ポスト』ならではの、姿勢の一端が窺われるではありませんか。
また、『裏切り』にはこんな描写も。

「ハリエットは前ボタン式のジーンズにローファー、上はポンチョという装いで……………………。」

ポンチョはもっとも古い衣服の形式のひとつ。布のほぼ中央に頭を通すための穴を開けただけの、服。つまりは、貫頭衣。
ポンチョは暖かく、手の動きも自由です。ポンチョを羽織って、手紙をポストに出しに行くといたしましょうか。

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