ピーターとピン・ストライプ

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ピーターで、音楽でといえば、『ピーターと狼』でしょうね。もちろん、プロコフィエフの作曲であること、申すまでもありません。1936年のこと。プロコフィエフ、四十五歳の時のことです。
プロコフィエフは、1891年4月23日、ロシアの、ウクライナに生まれています。セルゲイ・セルゲエーヴィッチ・プロコフィエフとして。
お母さんの名前が、マリア。マリアもまたピアニストで、四歳の時から、お母さんにピアノを教えられて。プロコフィエフは、五歳ですでに作曲を試みたという。
もっとも『ピアノ協奏曲第1番』が完成したのは、1911年。プロコフィエフが、ちょうど二十歳の時。
プロコフィエフは、1918年に日本に来ています。シベリアから敦賀へ。日本経由でアメリカに渡ったからです。この旅の途中、日本では山田耕筰に、巴里ではピカソやラヴェルにも会っています。
『ピーターと狼』の初演は、1936年5月2日。「モスクワ児童劇場」で。児童劇場の、ナタリーアが、「すべて動物の登場する音楽などいかがですか?」と言ったところ、すぐにプロコフィエフが反応した結果だと、伝えられています。
ピーターが出てくるミステリに、『暗号名 スイス・アカウント』があります。

「ピーターは折り目正しくナンシーと握手して言った。「ナンシー、こちらが父です」 」

ピーター・ブルックハルトは、スイス情報部の局員という設定。恋人であるナンシーを、お父さんに紹介している場面。では、お父さんは何を着ているのか。

「サヴィルロー仕立てにちがいないピン・ストライプのスーツに、イタリア製らしい暗赤色のシルクのネクタイをあしらっている。」

父の、マクシミリアン・ブルクハルト=フォン・デア・ミュールは、スイス銀行の頭取。ピン・ストライプも当然でしょうね。
いつの日にか、ピン・ストライプのスーツで、『ピーターと狼』を観に行くことを夢に見ているのですが。

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