ジャックとシルエット

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ジャックはわりと多い名前かも知れませんね。たとえば、ジャック・シラクだとか。ジャック・シラクは、以前、フランス大統領だったお方ですね。
でも、ジャックはなにも人の名前だけではなくて。猫の名前にもジャックがあったんだそうです。「片目のジャック」。生まれた時から、左右の目が少し歪だったので。
室生朝子が可愛いがっていたキジ猫のジャック。室生朝子は、室生犀星のお嬢さんで、『杏つ子』のモデルになったお方。随筆家でもありました。
片目のジャックの好物は、焼かない食パン。小さな食パンに少しバターをつけたのが、大好き。冬は専用の籠に入って、ストオヴの前を動かなかったという。まあ、猫にもそれぞれ個性があるのでしょうね。
室生朝子著『猫のうた』に、そのように書いています。片目のジャックは、もしかしたら、映画の『片目のジャック』と関係があるのでしょうか。映画『
片目のジャック』は、1961年の西部劇。主演は、ご存じマーロン・ブランド。
マーロン・ブランドはその前、『乱暴者』にも出ています。「ジョニー」の役で。1954年の映画。「ジョニー」の服装は、黒のライダース・ジャケット。映画『乱暴者』の影響をマーロン・ブランドは、こんな風に語っています。

「Tシャツとジーンズと革ジャンがとつぜん反抗のシンボルになったので、私はびっくりしてしまった。」

マーロン・ブランド著 『母が教えてくれた歌』には、そのように出ています。
ところで、「ジャック」が出てくるミステリに、『スパイたちの遺産』があります。

「ジャックはクロテンの高級毛皮の仲買人と称していたが………………。」

やはりスパイだったわけですが。『スパイたちの遺産』には、こんな描写も出てきます。

「サラットの研修所ではこれを“シルエット交換”と呼ぶ。」

「これを」とは、変装すること。服を変えることはシルエットを変えること。たしかにその通りではありますが。
まあ、時にはシルエットの美しいコートで、古い映画を探しに行きたいものですね。

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