ロッジとローファー

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ロッジは、山小屋なんかのことですよね。ロッジ l odg e もまた古い言葉で、もともとは「仮小屋」の意味だったらしい。
たとえば、ハンティング・ロッジだとか。獲物が多いあたりがあったとして、そこにハンティング・ロッジを。でも、いつも使うわけではなくて。狩猟に行った時だけに、寝泊りする。
それが時代とともにだんだんと開けてきて、一軒のお屋敷に。十九世紀には、よくそんなことがあったようです。
「タキシード」もその例で、もともとはハンティング・ロッジから、別宅として使われるようになった。そこで生まれたのが、「タクシード・クラブ」だったという。

「午前中、彼は長いこと散歩をした。そして、とあるロッジの中で、冷たい牛乳を飲みながら…………………。」

堀 辰雄が、昭和五年に発表した、『ルウベンスの偽画』にはそのように出ています。これは当時の軽井沢が背景ですから、「ロッジ」が出てくるのも、当時でしょう。
しかし、ロッジは必ずしも山小屋の意味だけではなくて。地名にもロッジがつく場所があるんだそうですね。ベンジャミン・ブラックの『黒いひとみのブロンド』を読んでいると。

「 ラングリッシュ・ロッジの地所については言っておくべきがあった。そこは自然のままの状態からはほど遠いが、それでも一帯がすべて緑に覆われていた。」

また、『黒い瞳のブロンド』には、こんな描写も出てきます。

「 ハイウエストの白いスラックスに飾り房のついたローファーを履き、くつろいだ白い開襟シャツ……………………。」

これはフロイド・ハンソンという人物の着こなし。「飾り房」はたぶん、タッセルもことなんでしょう。
ローファーで、ロッジで一休み。夢のまた夢でありますが。

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