ジャンと洒落

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ジャンは、男の子の名前ですよね。たとえば、ジャン=ポール・サルトルとか。無理矢理、日本で探すなら「次郎」でしょうか。
次郎と西洋服は、大いに関係があります。一例を挙げますと、佐藤与次郎。佐藤与次郎は、幕末の洋服師の名前。そのほかにも「次郎」とつく幕末の洋服師は少なくありません。
どうしてなのか。長男には家業を継がせ、次男は家の外に出すことが多かったからでしょう。幕末から明治はじめの西洋服は「次郎」によって伝えられた、そう言っても過言ではありません。
いや、ジャンの話でしたね。フランスにはなぜかジャンという名前の画家が少なくないのです。十九世紀の、コローはあまりにも有名でしょう。コローのフルネイムは、ジャン=バティスト・カミーユ・コローなんですね。
あるいは、ワトー。ワトーは、十八世紀フランスを代表する画家であります。本名は、ジャン・アントワーヌ・ワトー。1864年、バランシェンヌに生まれています。
ウォルター・ペイター著『宮廷画家の寵児』には、ジャン・アントワーヌ
ワトーの話が出てきます。

「アントワーヌは、最新流行の裾長の上衣を着て恰好がよく、実際よりも背が高く見えたが……………………。」

ここでの「アントワーヌ」がワトーであるのは、いうまでもないでしょう。また、『宮廷画家の寵児』には、こんな描写も出てきます。

「彼の指示通りに作られた散歩服を着てモデルになった。 ー それは特殊な絹地で作られた服で、沢山のこまかい襞となってさがり、わたしに“あるきびきびした様子”を与えてくれるのだが………………………」。

これは、1714年7月のこと。ワトーは人物画も描いた。そのモデルとなる人物の着る衣裳から創ったのでしょうね。
これこそ、「お洒落!」と言いたくなったくるではありませんか。
なにか自分では勝手に洒落てるつもりの服を着て、ワトーの画集を探しに行くとしましょうか。

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