サリンジャーとサルカ

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サリンジャーは、いうまでもなく、J・D・サリンジャーのことですよね。ジェローム・デイヴィッド・サリンジャー。でも、ご本人は、どういうわけか、「J・D・サリンジャー」と書いてもらうのが、お好きだったみたいですが。
J・D・サリンジャーの代表作は、『ライ麦畑でつかまえて』。原題は、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』。1951年7月16日の刊行。これが、好評、好評、大好評。
「ニューヨーク・タイムズ」の別冊で、ベスト・テンに。29週連続で。その年の8月には、4位に。つまりは売れに売れたのであります。
この天文学的印税で、ニューハンプシャー、コーニッシュに土地を買っています。その広さ、ざっと11万坪。
『ライ麦畑でつかまえて』で象徴的に使われる言葉が、「フォニー」。当時、日本でも「フォニー論争」があったほど。フォニーは、「ウソくさい」と訳すべきでしょうか。
サリンジャーは、2010年1月27日。91歳で、世を去っています。晩年のサリンジャーの写真を見ると。どうも「ラングラー」のジーンズがお好きだったようですね。
サリンジャーの、『ド・ドーミエ=スミスの青の時代』を読んでいると。

「前に母からもらったサルカの赤いネクタイ。」

という一節が出てきます。「サルカ」 Sulk a は当時、ニューヨークにあった高級洋品店。ロンドンにもパリにも支店がありました。
ノエル・カワードの部屋着、オナシスのネクタイを作っていた名店。本物の洋品店。決して「フォニー」ではない店。ただし、今は存在しません。サリンジャーとともに消えたのでしょうか。

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