モスクワとモーニング

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モスクワは、ロシアの首都ですよね。
モスクワと題につく小説に、『モスクワの伯爵』があります。2016年に、イギリスの作家、エイモア・トールズが発表した物語。
ただし時代背景は、1922年におかれています。では、1922年に何があったのか。革命。フランス革命のロシア版とも言えるでしょう。
貴族階級がその地位を失ってしまう革命であります。『モスクワの伯爵』は、1922年6月21日に幕を開けるのですが。
物語の主人公は、アレクサンドル・イリイチ・ロストフ伯爵。この日、ロストフ伯爵は裁判にかけられて、軟禁状態に。
仲間たちは死刑にもなっているのですから、文句も言えません。モスクワの高級ホテルを悠々と自宅代りにしていたのですが、これからは同じホテルの屋根裏部屋に。
ホテル内は自由に行動してよろしい。が、一歩でもホテルの外に出ると、銃殺刑が待っているのです。
そういう時代なんですから、仕方がありません。
とりあえず身のまわりのものだけを持って、スイートから屋根裏部屋へ。

「ロンドンのアスプレイで特別に伯爵のために作られ、よき友人であるミーシカがいかにも似つかわしく“大使”と名付けた革鞄も忘れなかった。」

『モスクワの伯爵』には、そのように説明されています。
「アスプレイ」 Aspr e は今も、ロンドン、ニュウ・ボンド・ストリートに今も、健在の宝飾店。1781年に、ウイリアム・アスプレイが創業したので、その名前があります。
アスプレイはその昔、「ジュークボックス」を作ったことが、実際にレコードをかけられるジュークボックスで。ただし、表面のキラキラの飾りがすべて本物の宝石だったので、話題になったことがあります。

モスクワが出てくる小説に、『ウィリアム・ウィルソン』が。1839年に、エドガー・アラン・ポオが発表した短篇。

「ウィーンでも ー ベルリンでも ー モスコウでも!」

これは物語の主人公が旅してきた所を挙げている場面。
また、『ウィリアム・ウィルソン』には、こんな描写も。

「………これもちょうどその時僕が着ていたのと同じ、当時流行型の白カシミアのモーニングを着た青年の姿に気がついた。」

1830年代には、純白のカシミアのモーニングが流行だったのですね。
どなたか1830年代の白いカシミア・モーニングを仕立てて頂けませんでしょうか。

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