詩人とジャケツ

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詩人は、ポエットのことですよね。p o et と書いて、「ポエット」。
英語での「ポエット」は、1325年頃から用いられているそうですから、古い。もっともラテン語の「ポエタ」p oēt a と関係があるとのことですから、詩人の歴史も古いのでしょうね。
詩人とおしゃれというわけではないのですが。ロバート・バーンズ。スコットランドの詩人、ロバート・バーンズとおしゃれとは密接につながっています。
「タモシャンター」t a m o‘ sh ant er に於いて。帽子の「タモシャンター」はロバート・バーンズの詩から出ているのです。「タモシャンター」は、「シャンター村のタモ」の意味なのです。
シャンター村のタモが魔女に追われる物語が、『タモシャンター』であります。結局、危ういところで、タモは川に飛び込んで、命だけは助かるんですが。
これはスコットランド、エアーの町の「ドーンの石橋」で。このドーンの石橋はスコットランドに行けば今でも観ることができます。
当時の言い伝えによれば、魔女は橋を渡れないと、考えられていたので。でも、どうして魔女はタモを追いかけたのか。「カティ・サーク」一枚で踊っているところを見られたと、思ったので。
「カティ・サーク」c utt sark は今のペティコートでしょうか、スリップでしょうか。
昔のティー・クリッパーに「カティ・サーク」がありましたが、あれは魔女を船首の守り神に使っていたからなんですね。
それはともかくとして、今なおロバート・バーンズはスコットランドでの国民詩人として人気があります。
毎年の1月25日は、「バーンズ・ナイト」夜通しでロバート・バーンズの誕生日を祝うことになっています。この「バーンズ・ナイト」に欠かせないのが、スコッチ・ウイスキイと、ハギス。ウイスキイもハギスもバーンズの大好物だったので。
ところでロバート・バーンズはどうしてそんなに人気が高いのか。いちばんの理由は、ゲール語。ロバート・バーンズがスコットランドの土地の言葉であるゲール語で、詩作したので。

詩人と題につく小説に、『詩人の生涯』があります。昭和二十六年に、安部公房が発表した短篇。

「……………おや、このジャケツは妙な音をたてるじゃないか。つねると、ギユツプと鳴いたぜ。」

これは近所の農家の緬羊の毛から編んだジャケツについて。安部公房は、「ギユツプ」と書いているのですが。
もう一度申しあげますが、『詩人の生涯』は短篇であります。いや、短篇と長篇とに関わらず、三十八回の「ジャケツ」。
安部公房著『詩人の生涯』には、ジャケツの言葉が「三十八回」出てくるのです。ジャケツは、「毛糸の編み物」とでも言えば良いでしょうか。
少なくとも昭和二十六頃にはよく使われた言葉なのでしょう。
どなたか素朴な手編みの絹スェーターを編んで頂けませんでしょうか。

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