ビールとチョッキ

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ビールにもいろんなビールがありますよね。ビールを飲む時、どんなふうに注文するのか。

たとえばロンドンのパブで。たいていは、単位をいう。「パイント」とか、「ハーフ・パイント」とか。と、ビターが出てくる仕掛けになっています。

ビターは色も濃く、コクがあって、美味い。ただし赤ワインのように、室温で飲むんですね。

ビターは何に入っているのか。「小樽」。この子樽のことを、「ケグ」 keg と呼ぶんだとか。

ビターよりももっと色の濃いのが、スタウトや、ポーター。いわゆる黒ビールの仲間。「ギネス」や「マーフィー」の銘柄は、スタウトのひとつなんでしょう。

「スタウト」は、色も味も「しっかりしている」から。「ポーター」は、その昔、ロンドンの労働者が好んだからなんだとか。

黒ビールがお好きだったひとりに、ジョンソン。あの『英語辞典』で知られるサミュエル・ジョンソン。

「ヘブリディーズ諸島に黒ビール若干を送りたいと思っています……」

これは1774年1月29日付の、ボズウェル宛の手紙の一節。ジョンソンはボズウェルと一緒に、スコットランドに旅をしています。1773年に。その時、お世話になった人たちに、黒ビールを贈ろうとしたのでしょう。ということは、ジョンソン博士自身、黒ビールがお好きだったのでしょう。

ボズウェル著『サミュエル・ジョンソン伝』には、こんな話も出ています。

「レースのついたチョッキを着こんだ人間は仕事をするには立派すぎる人間だ……」。

サミュエル・ジョンソンの時代にはレースのチョッキがあったのでしょうか。

レースであるかどうかはさておき。時には上着の代りにチョッキといきたいものですね。チョッキを上着のように着て、好みのビールを飲みに行こうではありませんか。

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