ルーベンスとピケ

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ルーベンスは偉大な画家ですよね。

ピーテル・パウル・ルーベンス(1577~1640年) 。フランドルの画家。

ルーベンスはルーベンスでも本の話なんですが。なんでも『ルウベンスの偽画』という本があるんだとか。それを書いたのは、堀 辰雄。昭和八年、江川書店から出た。ただし限定三百部。堀 辰雄著『ルウベンスの偽画』には、古賀春江の肉筆画が添えられた稀覯本。

まあ、そんなわけで、今、『ルウベンスの偽画』は幻の古書なんだそうです。もし、発見されたなら、手の届かない値段になってしまうかも。とにかくよほどの蒐集家でも見たことないくらいの貴重書。

「ところが私はふとしたことから、この本の愛蔵家があることを知った。昭和三十一年のことだった。当時、限定本を刊行していた国神庸人君から、この本は和歌山市存在することを聞いた。」

坂本一敏著『古書の楽しみ』には、そんなふうに出ています。

坂本一敏は、一宮町に住んでいる。しかも病いを得ている。でも、和歌山市に出かけるんですね。『ルウベンスの偽画』を手に入れるために。

坂本一敏は和歌山へ。目的の家に辿り着き、本を探してもらっているうちに、倒れてしまう。コレクターとはそんなものなんでしょうか。

アメリカの古書蒐集家が出てくるミステリに、『帽子収集狂事件』が。1933年に、ディクスン・カーが発表した物語。

「服装はきちんと、寸分のすきもない。チョッキは白ピケで縁をとり、ネクタイには小粒の真珠のピンが刺してある。」

これは古書マニアの、ジューリアス・アーバーの着こなし。「白ピケで縁を……」。これはどんなチョッキなんでしょうね。

白ピケのチョッキも良いものですね。なにかお気に入りのチョッキを着て、古書を探しに行きたいものですが……。

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