キッチンとジーン

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キッチンに立つのは愉しいものですよね。さあて、今日はなにを作ろうか。美味しいものを作るぞ。
同じキッチンでも日本とイギリスでは少し違うみたいですが。イギリスのキッチンにたいていあるのが、オーヴンとラジオと、洗濯機。仮に冷蔵庫はなくても、洗濯機はおいてあるくらい。我われ日本人のように何から何まだ冷蔵庫に、というわけでもないのでしょう。まあ、気候風土の違いもありますし。

キッチンは水を使うところで、それなら洗濯も、ということらしい。それから、ラジオ。イギリス人はラジオを聴きながら料理を愉しむ人が少なくないようですね。

それから、オーヴン。イギリスの家庭料理はオーヴンを使うことが多い。チキンでもマトンでもビーフでも、下拵えをしたなら、オーヴンへ。あとは焼き上がりを待つだけ。

食事の後は、食器洗い。食器洗いにはもちろん、洗剤を使って。食器を洗ったなら、軽くすすぐ。このすすぎ方にも、日英での違いが。日本では丁寧にすすぐ。イギリスではさっとすすいで、食器立てに。
これはたぶん食器用洗剤の原料そのものが違っているんでしょうね。イギリス人にとっての食器用洗剤はほとんど無害だと考えている。だから、さっとすすぐだけでおしまい。というよりも、ワックス代り。布巾で磨いてピカピカに仕上げるのが、お得意。

所変われば品変わるの、一例であるかも知れませんが。イギリスのキッチンが出てくるミステリに、『石の微笑』が。ルース・レンデルが、1989年に発表した物語。

「レイバーンのレンジをつかっていてとりあえずキッチンが暖まっているときに、どうして余分な出費をしなくてはならないのか、と切り返えされたのだった。」

これは物語の主人公、フィリップの科白。彼女が自宅に帰ると、母がキッチンを美容院代りにしていて、驚く場面。また、こんな描写も。

「ジーンズと靴に、深紅のゆったりとした綿の上着を着て、黒い革のベルトを腰に巻いている。」

これはフィリップの恋人、ゼンダ・ペラムの姿。コットンのジャケット。いいですね。ジーンズはキッチンで料理するにも最適でしょう。

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