髭とヘルメット

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髭のある大統領といえば、リンカーンでしょうか。エイブラハム・リンカーン。ほとんど独学で弁護士になり、さらには大統領にもなったんだそうですね。
リンカーンが第十六第アメリカ大統領になったのは、1861年3月4日のこと。
その前、大統領選挙選中に。リンカーンはNY州の、グレイス=ベデルという少女から手紙をもらうんですね。その手紙には。
「おひげをはやしたほうがお似合いだと思いますよ。」
で、リンカーンはその少女に返事を書いて。髭を蓄えることに。この髭のおかげで、というわけでもないでしょうが、大統領に。
リンカーンはケンタッキーからワシントンに行く列車の途中。NY州の、グレイス=ベデルを探してもらって、駅で会っています。「キミのために髭をはやしたよ。」と言って、感謝したという。
髭は生やすべきか、剃るべきか。もし髭を剃るなら、ウエット・シェイヴィングなのか、ドライ・シェイヴィングなのか。男もいろいろ悩むものであります。
ドライ・シェイヴィングは要するに、シエイヴァー( 電気カミソリ ) を使うやり方。
イレクトリック・シェイヴァーを考案したのは、アメリカのジェイコブ・シック。今の「シック」の生みの親ですね。
ジェイコブ・シックは、1923年11月6日にイレクトリック・シェイヴァーの特許を得ています。
イギリスでシェイヴァーが使われるようになったのは、1950年代のこと。それは「ヴィクトリー」という会社の「ドライ・シェイヴァー」だったと伝えられています。
1923年に発表されたミステリに、『エジプト墳墓の謎』が。アガサ・クリスティの初期の短篇。この中に。

「白い服を着てヘルメットをかぶり、日焼けした顔に顎鬚を生やした男が出迎えてくれた。」

「男」は、トスウィルという名の、大英博物館の、考古学の専門家。エジプトの発掘現場なので、「白い服を着てヘルメット」なのでしょう。たぶん麻服でしょう。そして、ピス・ヘルメット ( 防暑帽 ) かと。
1923年ころ、イギリス人がピス・ヘルメットを被るのは、それほど珍しいことではなかったのでしょう。
さて、髭も剃ったし。ピス・ヘルメットを被って、出かけるとしましょうか。

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