チーヴァーとチノーズ

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チーヴァーで、作家でといえば、ジョン・チーヴァーでしょうね。ジョン・チーヴァー作でよく知られているものに、『泳ぐひと』があります。1968年のアメリカ映画。いわゆる「ニューシネマ」の一つとされたものです。主演は、バート・ランカスター。
『泳ぐひと』の原題は、『ザ・スゥイーマー』。ジョン・チーヴァーが1964年に発表した短篇が、基になっています。
1912年生まれのジョン・チーヴァーは、若くして作家をめざしています。1930年代にはすでに注目されはじめて。たとえば1935年には、『バッファロー』という題の短篇を書いています。この『バッファロー』に目を留めたのが、当時『ニューヨーカー』の編集者だった、キャサリン・ホワイト。これがひとつのきっかけとなって、チーヴァーの小説は多く『ニューヨーカー』に掲載されたものです。ジョン・チーヴァー自身は、こんなことを言っています。

「作家としての私の生活は『ニューヨーカー』の気前のよさがなくては不可能なことだった。」

『ニューヨーカー』が作家に対して、想像を絶っする破格の原稿料を支払ったのは、よく知られている通り。でも、「気前のよさ」は高額の原稿料だけではなかったのです。原稿料の、前払い。
『ニューヨーカー』では、仮にチーヴァーが原稿を書くとなると、それが分かった時、原稿料を支払った。つまりは、先払い。なるほど、チーヴァーの言葉は単なる褒め言葉ではなかったのですね。
ジョン・チーヴァーの、『泳ぐひと』が発表されたのは、すでに触れた通り、1964年のこと。
1964年に生まれたのが、ベン・アーロノヴィッチ。ベン・アーロノヴィッチが、2012年に発表したのが、『地下迷宮の魔術師』。この中に。

「高価そうなラヴェンダー色のボタンダウンのシャツにタンのチノ・パンツといういでたちだった。」

これは、エリック・ヒューバーという男の着こなし。
「高価」であるかどうかはさておき。好みのチノーズは一本、欲しいですね。

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