フェットチーネとブレスレット

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フェットチーネは、パスタの一種ですよね。フェットチーネは、紐のような形のパスタ。もともとはイタリアの中央部で、多く使われたものなんだとか。ウンブリア州だとか、ラツィオ州だとか、アブルッツオ州だとか。
ひと口にパスタと言ってもその種類は、まさに星の数ほどあります。「コンキリエ」のような貝殻の形をしたもの。「ファルファッレ」は、蝶々の形。そういえば「てふてふ」と「ファルファッレ」、どこか似てませんか。
それはともかく、パスタのはじまりはやはり紐の形だったようですね。今、「ラザニア」という言葉があります。これは古代ローマの「ラガヌム」と関係があるのでは、と考えられているようです。少なくとも古代ローマにもすでにパスタらしきものがあったらしい。
ただし古代ローマの「パスタ」は軟式の小麦粉で、今のような硬式小麦粉ではなかった。いわゆる「デュラム小麦粉」。イタリアでは古い時代から、シチリアの「デュラム小麦粉」が有名だったという。この硬式小麦粉だからこその、「アルデンテ」なんですね。
ところでパスタにはどうして紐状が多いのか。これはどうも食べ方と関係しているのでは。十九世紀まではまず例外なく、手づかみで食べた。手でパスタをつかんで、口に入れやすかった。
よく革袋からワインを飲むことがありますよね。だいたいあの要領で、パスタを食べた。だから紐状が便利だったのでしょう。
フェットチーネが出てくる小説に、『英国諜報員 アシェンデン』があります。もちろん、モオムの著作。この中でRはアシェンデンに、「マカロニは好きかね」と、訊く。これに対するアシェンデンの答え。

「スパゲッティ、タリアテッレ、リガトーニ、バーミセリ、フェットチーネ、トゥッフォリ、ファルファッレ、普通のマカロニ、どれのことです」

要するにRはアシェンデンをイタリアに派遣したかったのですが。『英国諜報員 アシェンデン』には、こんな描写も。

「青いサージのスーツを着て、胸のポケットにシルクのハンカチをきれいに差して、金のブレスレットをしている。」

これは「ヘアレス・メキシカン」と呼ばれる男の姿。
金のブレスレット。いいですねえ。もちろんだからといって、フェットチーネを手づかみで食べようというのではありませんが。

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