マンとマント

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マンで、作家でいえば、トオマス・マンでしょうね。いくつもの名作を世に送り出しています。
映画『ベニスに死す』は、たぶんご覧になっていることでしょう。映画『ベニスに死す』の原作が短篇小説『ヴェニスに死す』で、1912年に、マンが発表した物語なのです。
映画『ベニスに死す』では、マーラーの『交響曲第五番』が効果的に使われていることでも有名ですね。小説『ヴェニスに死す』は、マーラーから想を得ているともいわれ、また実際にマンはマーラーとも親交があったようです。
マンは、1905年2月11日。カーティア・スプリングスハイムと結婚。その前の年、10月に婚約しています。ちょうどその頃。

「ただそこにいるというだけで作家十五人分または画家三十人分の文化的活動に匹敵するほどの奇跡的存在です。」

1904年2月27日。父のハインリヒへの手紙の中に。後に妻となるカトヤの美貌を、そのように伝えています。

「そうして、夫はグラスヒュッテ製の金時計をもらったわけですが、その時計はいまでもちゃんとしていますし、分解掃除してもらう必要すら一度もありませんでした。」

カーチャ・マン著『夫 トーマス・マンの思い出』に、そのような話が紹介されています。
ふたりの婚約祝いに、カーチャのおじいちゃんが懐中時計を贈ってくれる場面なんですね。
話は飛びますが。1918年10月3日、木曜日のマンの『日記』に。

「夕方の散歩でハーフコートを着ていて凍える。」

そんな一行があります。
トオマス・マンが、1930年に発表した短篇に、『マーリオと魔術師』があります。この中に。

「襟が天鵞絨で繻子裏の、ゆったりとした黒の釣鐘マント羽織り………………」。

これは魔術師、カヴァリエーレ・チポルラの姿。
ハーフコートよりは、マントのほうが暖かいかも知れませんね。

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